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【就労継続支援B型】第6回 B型事業所の収益モデル—収入を増やす方法

就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方々が社会参加し、自立した生活を送るために欠かせない制度です。

このサービスは、障害をもつ方が無理なく働き続けられる環境を提供し、自己肯定感を高めるだけでなく、社会的スキルを身につける機会を提供します。
事業所の皆様にとっても、利用者のサポートを通じて社会貢献を果たす重要な役割を担っています。

例えば、あるB型事業所では、軽作業や手工芸を通じて利用者が就労経験を積み、徐々にスキルを向上させています。
また、定期的な評価や支援計画により、利用者一人ひとりに合わせた支援が可能となっています。

このように、就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方の社会参加を支え、事業所の社会的価値を高める重要な仕組みです。
この記事では、B型サービスの概要や申請手続き、運営のポイントについて詳しく解説します。

 

 

B型事業所の収益モデル—収入を増やす方法

就労継続支援B型事業所(以下、B型事業所)は、「福祉サービス」でありながら、「収益性」も問われる事業です。
人件費や物件費をはじめとする運営コストを賄いながら、持続可能な経営を実現するためには、収益の仕組みをしっかりと構築することが不可欠です。

本記事では、B型事業所の収益モデルの基本構造と、収入を増やすための具体的な方法について解説します。

 

1. B型事業所の主な収入源とは?

B型事業所の収入は、大きく分けて以下の2つから成り立ちます。

 

(1) 福祉サービス報酬(介護給付費)

利用者1人あたりの基本報酬加算に基づいて、自治体(国保連)から支払われる収入です。これは事業所にとって最も安定した柱です。

主な構成 内容
基本報酬 利用者数・稼働日数に応じて支給される基本的な単価
各種加算 工賃向上、処遇改善、支援体制強化などに応じて加算される収入

 

(2) 生産活動収入(工賃の原資)

利用者が行う作業を通じて得られる売上収入です。
商品販売や企業からの業務受託などを含み、工賃支払の原資となる部分です。

 

 

2. 収益向上のためのポイント

 

(1) 稼働率を高める

利用者数が多ければ、報酬額も大きくなります。
新規利用者を安定的に確保するためには、以下の取り組みが有効です。

  • 地域の相談支援事業所との連携
  • 学校や病院との情報交換
  • HP・SNSによる広報

 

(2) 加算の積極的な取得

加算を活用することで、基本報酬に上乗せして収入を得ることができます。
以下はB型事業所で取得可能な主要加算の一部です。

加算名 ポイント
目標工賃達成加算 工賃平均額が一定水準を超えることで取得可
処遇改善加算 職員の処遇改善に取り組むと取得可
特別支援体制加算 特定の障害特性に対応できる支援体制を整備

制度や運用ルールを把握し、要件をクリアして加算を積極的に取得することが重要です。

 

(3) 生産活動収入を増やす

「工賃向上」の文脈でも紹介しましたが、生産活動の売上は事業所にとって貴重な収入源です。
以下のような工夫が有効です。

  • 商品の付加価値を高める(地域素材・ストーリー性の活用)
  • ECサイトやSNSで販売機会を拡大
  • 企業からの作業受託(封入・検品・加工など)
  • 製品単価の見直しと在庫ロスの管理

 

3. 実際の収入モデル(年間収支例)

例:定員20名、月15人利用・稼働率75%、1日平均利用時間5時間の場合
(※地域・加算取得状況により異なります)

収入項目 年間見込額(概算)
基本報酬 約1,500万円
加算(処遇・工賃等) 約400万円
生産活動収入(売上) 約300万円
合計 約2,200万円

このように、報酬+加算+売上の三本柱を整えることが、経営安定のカギとなります。

 

 

4. 支出の見直しも重要

収入を増やすことに加えて、「コスト管理」も忘れてはなりません。

  • 外注費の削減や自社作業化
  • 公的補助金の活用(設備導入・ICT支援)
  • 社会保険料や賃料の適正管理

支出項目を把握し、無駄を省いた経営体制をつくることも収益確保には不可欠です。

 

 

5. 補助金や助成金の活用

設備投資や新事業立ち上げ時には、以下のような補助制度も活用可能です。

制度名 内容
障害福祉人材確保・職場環境改善事業 設備費・ICT導入費等を補助
小規模事業者持続化補助金 販路開拓費・広告費等を補助
(一般事業者向け)
地域福祉推進交付金(市町村独自) 建物整備・送迎車両導入支援など

申請には詳細な事業計画書が必要となるため、行政書士など専門家の活用が効果的です。

 

6. まとめ

B型事業所の収益モデルは、単なる「報酬収入」に依存するものではなく、

  • 稼働率アップ
  • 加算の取得
  • 生産活動の売上強化
  • 補助金の活用
  • 支出の最適化

といった複数の視点からの工夫により、安定かつ持続的な経営が可能になります。

当事務所では、指定申請から運営後の加算管理・補助金申請まで、収益構築を支える各種サポートを行っています。
経営でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方の社会参加を支え、事業所が地域社会に貢献できる大切な仕組みです。

このサービスは、利用者が自分のペースで働き、成長を実感できる場を提供し、事業所はその支援を通じて社会的責任を果たすことができます。
また、行政手続きや報酬請求などのサポートを適切に行うことで、事業所の運営を安定させることも可能です。

「ならざき行政書士事務所」では、新規指定申請や指定更新申請、サービス報酬の請求手続きなど、B型事業所の運営に欠かせないサポートを提供しています。
これにより、事業所の皆様は安心して利用者支援に集中することができます。

就労継続支援B型サービスの安定した運営には、確かな支援と適切な手続きが欠かせません。
「ならざき行政書士事務所」は、あなたの事業運営をしっかりとサポートします。

 

 

参照記事等

GLUGのウェブサイト「就労継続支援B型事業所は儲かる?収支モデルや収益を上げるコツを解説
(最終閲覧2025年6月9日)

ミライクスのウェブサイト「就労継続支援B型は儲かる?収益シミュレーションから分析事業を探す
(最終閲覧2025年6月9日)

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