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【就労継続支援B型】第2回 B型事業所の開設手続きと必要な書類

就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方々が社会参加し、自立した生活を送るために欠かせない制度です。

このサービスは、障害をもつ方が無理なく働き続けられる環境を提供し、自己肯定感を高めるだけでなく、社会的スキルを身につける機会を提供します。
事業所の皆様にとっても、利用者のサポートを通じて社会貢献を果たす重要な役割を担っています。

例えば、あるB型事業所では、軽作業や手工芸を通じて利用者が就労経験を積み、徐々にスキルを向上させています。
また、定期的な評価や支援計画により、利用者一人ひとりに合わせた支援が可能となっています。

このように、就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方の社会参加を支え、事業所の社会的価値を高める重要な仕組みです。
この記事では、B型サービスの概要や申請手続き、運営のポイントについて詳しく解説します。

 

B型事業所の開設手続きと必要な書類

就労継続支援B型事業所(以下、B型事業所)の開設を検討している方にとって、どのような準備や手続きが必要かを把握することは非常に重要です。
この記事では、B型事業所の開設までの流れと必要書類について、行政書士の視点からわかりやすく解説します。

 

 

1. B型事業所を開設するには?

B型事業所の運営には、各都道府県または市町村(政令指定都市など)からの「指定」を受ける必要があります。
この指定を受けるためには、以下の3つの基準を満たす必要があります。

 

(1) 人員基準

管理者、サービス管理責任者、職業指導員または生活支援員など、定められた職種・人数を確保する必要があります。 

 

(2) 設備基準

利用者が安全・快適に作業や生活支援を受けられるための設備(作業室、相談室、トイレなど)が整っていることが求められます。

 

(3) 運営基準

利用者に対して適切なアセスメントや支援計画を実施し、記録や苦情処理体制を整備することなど、サービス運営に関するルールが定められています。

 

 

2. 開設手続きの流れ

B型事業所の開設には、一般的に次のような手続きが必要です(自治体によって若干の違いがあります)。

 

ステップ1:事前相談

まずは管轄の自治体(福祉部門)に事業所開設の意向を伝え、事前相談を行います。
この段階で、所在地や定員、職員体制などの基本方針を確認されます。 

 

ステップ2:物件の確保と職員の採用

人員基準・設備基準を満たすために、事業所となる物件を確保し、必要な職員を採用していきます。 

 

ステップ3:申請書類の提出

基準を満たしたうえで、自治体に指定申請書類一式を提出します。
申請受付の期限は「毎月〇日まで」といった運用がある自治体も多いため、スケジュール管理が重要です。 

 

ステップ4:現地実地調査

申請後、自治体職員による現地確認(実地調査)があります。
人員配置、設備、書類の整備状況などが確認されます。 

 

ステップ5:指定通知・事業開始

問題がなければ「指定通知」が発出され、晴れてB型事業所としての運営開始が可能になります。

 

3. 必要書類の一例

申請時には、多くの書類を提出する必要があります。
以下は主な提出書類の一例です(※自治体により異なる場合があります)。

書類名 内容
指定申請書 サービス種別、運営法人名、所在地などを記載
事業所の平面図 作業室、相談室、トイレ、玄関等の配置図
法人登記簿謄本 運営法人の現在事項全部証明書
定款 福祉サービスを目的に含む内容が必要
管理者・職員の資格証明書 必要な資格や経験を証明する書類(例:介護福祉士など)
雇用契約書・勤務体制表 配置基準を満たす職員体制の証明
就業規則(または類する書面) 職員の勤務・労務管理の体制を示すもの
運営規程 サービス提供のルール・仕組みをまとめた文書
利用者からの苦情解決体制の整備に関する書類 苦情受付体制や解決方法を記した書面
収支予算書 初年度の収支見通し

その他にも、消防法令適合通知書(用途変更を伴う場合)や賃貸借契約書の写しなど、物件に関する書類も求められることがあります。

 

 

4. 開設準備で注意すべきポイント

 

(1) 職員体制の早期確保

人員基準に適合しないと申請が受理されません。
特にサービス管理責任者や管理者の要件を満たす人材の確保が難しいため、早めの準備が必要です。

 

(2) 設備基準は自治体で事前確認

「作業室の広さ」や「面積の基準」などは、自治体ごとに細かな運用が異なります。
内装工事前に、必ず図面をもとに事前相談しましょう。

 

(3) 指定スケジュールに注意

自治体によっては「毎月〇日締め、翌月指定」「年4回のみ受付」といった運用があり、開設希望時期から逆算して早めに準備を進める必要があります。

 

5. まとめ

B型事業所の開設は、障害のある方の「働く場」を地域に提供する、社会的意義の高い取り組みです。
しかし、開設には多くの要件や書類が伴い、準備不足によって予定が遅れるケースも少なくありません。

スムーズに開設を進めるためには、制度に精通した専門家のサポートを受けることが効果的です。
行政書士は、指定申請書の作成や書類整備、実地調査対策など、事業者様の立場に寄り添ってトータルに支援いたします。

 

 

就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方の社会参加を支え、事業所が地域社会に貢献できる大切な仕組みです。

このサービスは、利用者が自分のペースで働き、成長を実感できる場を提供し、事業所はその支援を通じて社会的責任を果たすことができます。
また、行政手続きや報酬請求などのサポートを適切に行うことで、事業所の運営を安定させることも可能です。

ならざき行政書士事務所では、新規指定申請や指定更新申請、サービス報酬の請求手続きなど、B型事業所の運営に欠かせないサポートを提供しています。
これにより、事業所の皆様は安心して利用者支援に集中することができます。

就労継続支援B型サービスの安定した運営には、確かな支援と適切な手続きが欠かせません。
ならざき行政書士事務所は、あなたの事業運営をしっかりとサポートします。

 

 

参照記事等

スター行政書士事務所のウェブサイト「就労継続支援B型を開設するときの指定基準・必要書類
(最終閲覧2025年5月9日)

就労移行支援等指定申請サポートセンターのウェブサイト「就労継続支援B型の指定申請に必要な書類
(最終閲覧2025年5月9日)

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