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【就労継続支援B型】第7回 利用者のモチベーションを高める支援のコツ

就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方々が社会参加し、自立した生活を送るために欠かせない制度です。

このサービスは、障害をもつ方が無理なく働き続けられる環境を提供し、自己肯定感を高めるだけでなく、社会的スキルを身につける機会を提供します。
事業所の皆様にとっても、利用者のサポートを通じて社会貢献を果たす重要な役割を担っています。

例えば、あるB型事業所では、軽作業や手工芸を通じて利用者が就労経験を積み、徐々にスキルを向上させています。
また、定期的な評価や支援計画により、利用者一人ひとりに合わせた支援が可能となっています。

このように、就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方の社会参加を支え、事業所の社会的価値を高める重要な仕組みです。
この記事では、B型サービスの概要や申請手続き、運営のポイントについて詳しく解説します。

 

 

利用者のモチベーションを高める支援のコツ

就労継続支援B型事業所(以下、B型事業所)における支援の質を左右する大きな要素の一つが、「利用者のモチベーション(意欲)」です。
利用者が意欲的に通所し、作業に取り組むことで、工賃の向上や社会参加の促進にもつながります。

しかし、障害特性や生活背景によって、継続的なやる気の維持が難しいケースも少なくありません。
今回は、支援現場で役立つ「モチベーションを高める支援のコツ」をご紹介します。

 

1. 小さな成功体験を積み重ねる

 

ポイント:できる作業から始める

利用者の「できた」という感覚は、自己肯定感の向上に直結します。
最初から高いハードルを課すのではなく、簡単な作業や慣れ親しんだ作業からスタートし、徐々にステップアップできるように支援しましょう。

 

実践例

  • 「袋詰め」→「ラベル貼り」→「検品」と、難易度を段階的に上げる
  • 1日の目標を設定し、達成感を得られるようにする

 

 

2. 作業の「意味」を伝える

 

ポイント:社会とのつながりを実感させる

単調に見える作業も、「誰かの役に立っている」という意識が生まれれば、やりがいにつながります。

 

実践例

  • 「この作業でできた商品が、地域のマルシェで販売されます」
  • 「企業の依頼で行っている作業です」と説明することで、社会参加の意義を共有する

 

 

3. 一人ひとりに合わせたコミュニケーション

 

ポイント:対話と傾聴を大切にする

利用者の状態や性格はさまざまです。
型にはまった支援ではなく、その人に合った声かけや接し方がモチベーション維持のカギとなります。

 

実践例

  • 朝の挨拶で「今日は〇〇をお願いできる?」と個別に期待を伝える
  • 作業中に「ありがとう」「すごく助かってるよ」など、具体的に評価する

 

4. 居場所としての安心感を提供する

 

ポイント:心理的安全性のある環境づくり

ミスを責められたり、居場所がないと感じたりすると、意欲は低下します。
利用者が「ここにいていい」と思える環境を整えることが重要です。

 

実践例

  • 失敗しても「大丈夫、次に活かそうね」と伝える
  • 作業とは別に「雑談の時間」や「休憩スペース」を設けることで、安心感を育てる

 

 

5. 自分で選べる機会をつくる

 

ポイント:自己決定の機会を尊重する

人は「自分で選んだこと」に対してより主体的になれます。
作業内容や1日のスケジュールなど、一部でも選択肢を提示する工夫がモチベーションにつながります。

 

実践例

  • 「今日はAとB、どちらの作業をやりたい?」と聞く
  • 自分で目標を立ててもらい、達成を一緒に喜ぶ

 

 

6. 成長や変化を見える化する

 

ポイント:目に見える成果で実感を持たせる

作業能力や通所日数の変化など、利用者の成長は視覚的にフィードバックすることで、自信と継続意欲が高まります。

 

実践例

  • 作業数を記録し、グラフで見せる
  • 「〇ヶ月連続通所達成!」「ラベル貼りマスター認定」などの表彰やカード作成

 

7. 家族や関係機関との連携も忘れずに

モチベーションの低下が見られる場合には、家庭や医療・相談支援機関との連携も効果的です。
支援チームとしての協力体制が、利用者の安定した通所と意欲の回復につながります。

 

 

8. まとめ

利用者のモチベーションは、B型事業所の支援の質を高め、工賃向上や一般就労移行にも良い影響を与える重要な要素です。

特別な支援技術よりも、「一人ひとりの気持ちに寄り添う姿勢」や、「成功体験の積み重ね」「わかりやすいフィードバック」といった基本的な支援の積み重ねが、やる気を育てる土台になります。

当事務所では、支援記録の工夫や個別支援計画の作成、加算取得のための体制整備など、現場で実践できるモチベーション支援の仕組みづくりをサポートしています。
お気軽にご相談ください。

 

 

就労継続支援B型サービスは、障害をもつ方の社会参加を支え、事業所が地域社会に貢献できる大切な仕組みです。

このサービスは、利用者が自分のペースで働き、成長を実感できる場を提供し、事業所はその支援を通じて社会的責任を果たすことができます。
また、行政手続きや報酬請求などのサポートを適切に行うことで、事業所の運営を安定させることも可能です。

「ならざき行政書士事務所」では、新規指定申請や指定更新申請、サービス報酬の請求手続きなど、B型事業所の運営に欠かせないサポートを提供しています。
これにより、事業所の皆様は安心して利用者支援に集中することができます。

就労継続支援B型サービスの安定した運営には、確かな支援と適切な手続きが欠かせません。
「ならざき行政書士事務所」は、あなたの事業運営をしっかりとサポートします。

 

 

参照記事等

だいこん畑のウェブサイト「やりがいを再発見!就労継続支援B型職員のモチベ維持術
(最終閲覧2025年6月16日)

LITALICO仕事ナビのウェブサイト「モチベーションを上げる方法
(最終閲覧2025年6月16日)

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