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【在留資格】特定技能1号「航空」について

「特定技能」は、人手不足の業界で外国人材を受け入れるための、今もっとも注目されている在留資格です。

特定技能制度は、日本国内で深刻化する労働力不足に対応するために2019年に創設され、一定の技能や日本語能力を持つ外国人を受け入れる仕組みです。
特に介護、外食業、建設などの16分野で活用が進んでおり、多くの企業が即戦力としての外国人材に期待を寄せています。

例えば、ある外食チェーンでは特定技能の外国人スタッフを複数名採用し、人手不足の店舗運営を安定化させました。
就労を希望する外国人側にとっても、中長期的に働ける制度として人気が高まっています。

このように、「特定技能」は企業にとっても外国人にとっても大きな可能性を持つ在留資格です。

 

 

特定技能「航空」分野とは?空港業務で働く外国人を支える在留資格制度を解説

 

1. はじめに

新型コロナウイルスの影響を乗り越え、再びインバウンド需要が高まる中、日本の空港では旅客数が急増しています。
しかし一方で、地上業務を支えるスタッフが不足しており、空港業務の現場では人手不足が大きな課題となっています。

そうした背景から導入されたのが、外国人材を対象とした「特定技能(航空分野)」の在留資格です。
この記事では、特定技能「航空」分野の制度概要や取得条件、企業側の対応義務について、行政書士の視点でわかりやすく解説します。

 

2. 特定技能「航空」分野とは?

「特定技能」とは、日本国内で人手不足が深刻な14の産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れるための制度です。
「航空分野」はその一つで、空港での地上支援業務を担う外国人を対象としています。

対象となる業務:

  • 手荷物・貨物取扱(ローディング・アンローディングなど)
  • 航空機への給油
  • 航空機の誘導・牽引(ランプ業務)
  • 搭乗ゲートやカウンターでの旅客対応業務(旅客サービス)

※航空機の整備やパイロット業務は対象外です。

 

 

3. 特定技能1号(航空)の基本情報

項目 内容
在留資格名 特定技能1号(航空)
就労対象業務 空港の地上支援業務(グランドハンドリング等)
在留期間 通算5年まで(1年・6か月・4か月ごとの更新)
雇用形態 直接雇用(派遣不可)
家族帯同 不可(配偶者・子の帯同は認められません)

 

4. 外国人が取得するための要件

特定技能「航空」を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

 

(1) 技能評価試験の合格

航空分野においては、以下のいずれかの試験に合格することが求められます。

  • 空港グランドハンドリング技能評価試験
  • 航空旅客サービス技能評価試験

どちらを受けるかは、従事する業務内容によって異なります。
試験は主に日本国内で実施されており、受験者は実務に必要な知識・技術を問われます。

 

(2) 日本語能力試験の合格

以下のいずれかの日本語試験に合格している必要があります:

  • 日本語能力試験(JLPTN4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)合格

 

(3) 技能実習からの移行

現時点で、航空分野は技能実習制度の対象外であるため、技能実習からの移行は不可です。
原則、すべての外国人が技能試験と日本語試験に合格する必要があります。

 

 

5. 受け入れ企業側の義務

外国人労働者を雇用する企業(特定技能所属機関)は、以下の義務を負います。

  • 直接雇用の原則(請負・派遣不可)
  • 日本人と同等以上の報酬を保証
  • 社会保険・労働保険への加入
  • 生活支援計画の策定と実施
    • 住居の確保支援
    • 生活オリエンテーションの実施
    • 日本語学習の支援
    • 相談対応 など

これらの支援業務は、自社で行うか、「登録支援機関」へ委託することが可能です。

 

6. よくある質問(FAQ

 

Q1. 配属できる空港に制限はありますか?

制限はありませんが、対象業務に該当する空港であること、また受入企業としての体制が整っていることが前提です。

 

Q2. 夜勤やシフト勤務は可能ですか?

はい、労働基準法を遵守する形で、夜勤や早朝勤務も可能です。
ただし、本人の生活リズムや健康への配慮も必要です。

 

Q3. 英語力も必要ですか?

特定技能の取得要件には含まれていません。
ただし、旅客対応業務などで英語が使われる場合は、企業側が独自に求めることがあります。

 

7. まとめ

特定技能「航空」分野は、空港の運営を支える即戦力となる外国人材を受け入れるための制度です。
技能試験と日本語力の証明が必要であり、受け入れ企業側にもさまざまな法的・支援上の責任が課せられています。

制度を正しく理解し、適切な受け入れ体制を整えることで、外国人材と企業双方にとってメリットのある雇用が実現できます。

当事務所では、在留資格申請、評価試験の情報提供、登録支援機関の紹介、支援体制の整備支援など、航空分野の外国人雇用に関するあらゆる手続きをサポートしています。
空港業務での外国人雇用をご検討中の企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

「特定技能」は、企業と外国人の双方にメリットがあり、制度を正しく理解し活用することが重要です。

一方で、申請には技能評価試験や日本語試験の合格、受入れ体制の整備、支援計画の策定など、専門的な知識と手続きが求められます。
不備があると不許可や手続きの遅延につながるため、確実な準備が不可欠です。

「ならざき行政書士事務所」は、在留資格認定証明書の申請から、変更・更新の手続き、受入れ企業の支援体制づくりまで、特定技能制度の活用を総合的にサポートしています。
初めて外国人を雇用する企業様にも、わかりやすく丁寧にご案内いたします。

特定技能制度を適切に活用することで、人材不足を補いながら国際的な人材との連携が可能になります。
「ならざき行政書士事務所」は、その第一歩を全力でサポートいたします。

ご相談・ご依頼は、こちらのページからお寄せください。

 

参照記事等

出入国在留管理庁のウェブサイト「航空分野
(最終閲覧2025年6月5日)

特定技能on-lineのウェブサイト「特定技能「航空業」|制度のポイントを紹介
(最終閲覧2025年6月5日)

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